インタビュー

卸だからこそできる、小売さんへのメリットを提供し続けたい。

HITさんは久宝寺町でいつから事業をされているんですか?

久宝寺自体は1951年からです。
久宝寺には多いと思いますが、弊社も祖父が丁稚奉公に出ていて、まずは上本町の方で創業しました。
当時は久宝寺で卸をやるのがステータスだったようで、「いつか久宝寺にくるんや!」と心に決めていた祖父が1951年に引っ越して、卸連盟にも入りました。

なぜ帽子だったんでしょうか?

戦前戦後は、みんな帽子を被っていたんです。それこそ、「その着物にその帽子あわせちゃった!?」ぐらいの勢いで!
ドラマの「あさが来た」などを見ていると良く分かるんですが、本当にみんな帽子をかぶっているんです。特にお偉いさんは必ずと言っていいほど。

欧米への憧れや、トレンドだったりステータスだった側面もあるでしょうが、文明開化で“ちょんまげ”を切ったので、頭が“すっかすか”だったんだと思いますよ。

戦後で何もなくて、着るものは絶対要るけれどそれはもう久宝寺に既に沢山あるし…と考えた結果、「これからは帽子や!」と祖父は目をつけたようです。

この久宝寺の道が大渋滞を起こしていた当時は、レジにお金が入らなくなって銀行に走っていた…という話もありましたし、従業員が多い時代もあったようですが、まぁ…僕は聞いたことあるだけです。

当時から今、何が大きく変わったと思いますか?

間違いなく流通が変わっていますよね。
それまでは、「久宝寺をはじめ、船場に来たら何でも揃う」だったはずなんですが、もう来なくてもインターネットや他の場所で揃うようになってしまいました。
なので卸問屋は「メーカー化するか、小売をはじめるか」を選ぶ岐路に立たされたんです。
卸だけをやっている、と言うのは今では中々少ないです。

弊社もメーカー化しようと考えてはみたんですけれど、資金力も販売力も要るし、2万3万のピースを発注して海外工場を持って誰かを派遣して…と考えると難しいかな、と。
弊社なんて少人数なので、海外に行くとしたら僕でしょうし…それは困る。
今じゃ海外もスケールメリットが少ないですしね。
通常だったらB to Cとして小売を始めるところですが、弊社は卸として小売さんに操を立てつつ、B to Bをネットではじめて、こちらを軌道に乗せることができたので生き残ることができました。

つい先日、社長になられたとのことですが、どうですか?

正直、卸ってもう駄目じゃないのかと思ってました。
B to Cを早くはじめないと、という焦りもありましたし、帽子だけじゃだめだと思ってましたし、そもそも卸ってもうお客さん増えることないでしょ…と。
なのですぐには無理だけれど、卸を続けつつB to Cを少しずつ増やして切り替えていこうと考えていました。

ただ、1〜2年くらい前から、「そうじゃないな」と今は感じています。
時代が厳しいのは変わらないのですが、卸として求められていないわけじゃないと思ってます。

小売さんがメーカーさんと直接取引するメリットでありデメリットでもあるんですが、オンシーズンの時に在庫を持っていないということがあります。
多くのメーカーさんは展示会に合わせて商品を用意するので、特にアパレルは売り場が季節を先取りしすぎる事がママあるんです。
帽子を一番使うのは4,5月を超えて7,8月までだと思うんですが、もう夏になってると秋冬しかメーカーさんには無いことが多々あるんですよね。

弊社は元々、お客さんに倉庫代わりで使ってもらおうと思ってます。
数も1つずつ卸せますし、勿論大量に仕入れてくれたらそれはそれで嬉しいですが、でもお客さんの店先の回転率が少しでも上がって、いつでも生きのいい商品がある新鮮な店頭の方が、お客さんにとっても良いですよね。

理想はお客さんのところの在庫を全部把握して、売れたらすぐに納品して、例えば別のお客さんのところにある商品が別のところで売れ筋になったら回収して送るとか…そういうシステムを構築したいです。
僕が戻ってきた時は、それこそお客さんの年齢層も高くて。
それこそ弊社でも売り子を常時おいて置けないのでレジを引き上げて別の場所に置いたら怒られた…ぐらい体制を変えるのが難しかった。
ただここ数年でお客さんも代替わりがほぼ完了して、新しいシステムも導入して、もっと効率化して…という新しい風が吹いてます。

仕入先を探している方へのメッセージってありますか?

売れ筋の商品を掴んでいるので、何から始めたらいいか分からない方もお気軽にどうぞ!
「半年後からお店始めるんです…」というお話も大歓迎です。
こういう仕入の仕方がおすすめとか、なんでもお話しますよ!
この業界を盛り上げられるなら、喜んで1時間でも2時間でも腰を据えてお話します。

必要とされていることが卸として一番の存在意義ですから。
常に必要とされ続ける会社でいたいと思っていますし、これからもどんどん新しいことを取り入れていきたいと思っています。
帽子のエキスパートをお探しでしたら是非弊社へ!

㈱HIT
中央区南久宝寺町 2-4-11
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電話番号
06-6271-5622
FAX番号
06-6271-3620
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