インタビュー

お客さまに寄り添い、ワクワクする・ワクワクさせる会社を目指して。

本日は管理本部長兼経営企画室長である西島様にお話しをお伺いいたします。まず南久宝寺での創業の経緯などを教えてください。

元々、先代の清原清之助が奉公先のボタン屋で修行をつみ、昭和9年に38歳で独立したのがはじまりです。
当時「奉公先とは同業をやってはならん」というしきたりみたいなものがあり、「一から国外で貿易をやってみよう」と一念発起して東区横堀に(前身の)清原商店を立ち上げ、神戸の旧居留地辺りに日参していたようです。

昭和12年の支那事変から戦争が激化して行く中で、“軍需”として輸出が順調に伸びましたが、大阪大空襲によって店舗も商品も全焼してしまいました。
戦争が終わり、“見回す限り人っ子一人いない瓦礫の山”という状況の中で「これから何をやるかな」と考えた際に、「大阪で商売をする限りには、橋のある近くが良いだろう。それも東西に架かっている橋の傍に将来性があると考え、久宝寺に決定した」という記述が、先代が掲載された当時の新聞記事に残っています。

時が流れ、東京への一極集中化が進みアパレル業界のお客様がどんどん東京へ移転され、我々も営業本部機能はシフトしましたが、本社は信用基盤があるここ南久宝寺町に置いています。
元々船場は卸問屋の中心地として地名そのものが“ブランド”ですし、ネットの世の中ということもあり今時どこに本社があっても特に変わりはないんじゃないでしょうか。

僕自身も東京に12年程住みましたけれど、大阪のほうが物価も安いし、同じコストをかけて住むんだったら絶対に関西のほうが良いんじゃないですかね(笑

異業種ご出身とお伺いしましたが、西島様から見てどのような会社だと思われましたか?

まず清原には「アパレル資材」「ストア資材(手芸、クラフト関係)」「貿易」の3つの部隊があります。
共通して「お客様に寄り添い、長いお付き合いを大事にしながら、真摯にお客様を支える“黒子役”、“ベストサポーター”に徹する文化・DNAがある」と感じ、これをしっかり守らなければと思いました。

元々僕は全く畑の違う、産業機械設備を扱う仕事を18年以上やってきました。
機械は数千万〜数億円の案件が決まる・決まらないの世界で、決まった後はメンテナンス以外、他のプロジェクトを追う狩猟民族的な動きをしていました。
ですがこの業界には途切れること無く流れる商売がある、これは羨ましかったです。

歴史を遡ると2万年前からあるらしいボタンは、機能的にはシンプルに“留まれば良い”ものです。
技術革新が緩やかな分野ですが、一方では毎年大きく変化するファッション、特にレディスのトレンドに向き合う感性が重要で、60万点の取扱い商品ひとつひとつのディテールにこだわり、多様性や組合せの面白さを表現することを武器にしています。
“ちょっとした違い”を大事にするところは、パーツの世界で生きてきた“清原”に綿々と受け継がれているこだわり、誇りであり、僕は清原に入って『神は細部に宿る』という言葉が心に響くようなりましたね。

最近はITの進歩で「何があり、どうイケてるか。どこで買えて一番安いか」という情報を一般消費者の方が良く知っており、マーケットを支配しています。
我々もお客様との取引関係を大切にしながら、その先のお客様とどのように繋がっていくか、WebやSNS、店頭や講習会などの接点を通じて模索している所です。

“ちょっと違う”という感性は、どのようにして培われるものなのでしょうか?

我々のお客様は、アパレル業界のデザイナーさんやパタンナーさんなど感覚的な方々が多く、常に何か面白い、ユニークなモノを求めておられるので、その方々のニーズを捉えて認められることが前提です。
世の中の事象に敏感でなくてはなりませんし、マーケットや素材・技術においても“イケてる”ところ、新しい変化を起こしそうなところなどに注目してきましたね。

上司や先輩から教えられることもありますが、多くの場合、一番の先生はお客様ではないでしょうか。
入社して間もない若手営業よりお客様の方が商品知識をお持ちのケースが正直あり、色々教えていただきながらも何か+αを提供しなければならない。
要望をただ聞き、選んでもらうだけでなく、“声にならない声”に気付き、引き出す能力が大事です。
“こんなものもありますよ。こちらの方がメリットがありますよ”という的を得た提案に繋げる力が求められますが、アパレルであれ、手芸・クラフトであれ……どんな営業でも多分一緒だと思いますね。
人間関係作りや感性と好奇心、一種の才能の部分でもあると思います。

その能力を持つ人材を採用し、力を引き出すのはとても難しいと思いますが、どのような点に着目されているのですか?

いつの世もイノベーションを起こすのは「若者、よそ者、バカ者」だ、と言う人がいます。
どの分野においても卒のない能力を持った人が集まったチームからは確かに平均的に良いモノが出来る……ただそういうものは世の中にもう溢れてるじゃないですか。
一皮むけたモノもの、或いは取組みがしたい時は、“色々苦手な分野はあるけど、この分野には滅法強い”尖った才能に任せてみる、各分野の職能や異才を集めて自由に泳いでもらうことがブレークスルーとしては有効だと考えています。

具体的には新卒を育てることを基本としつつ、スキルを持った人や全然違った釜の飯を食って活躍してきた人、外国人など、多様な経験や価値感を持つ中途採用を進めることが新たなものを生み出す起爆剤になると思います。
それがいきすぎてもいけないので、バランスの良い人事が勿論大切です。

長い歴史がある清原の「人に優しく、マジメで丁寧な社風」と合わせて、やんちゃに活躍できる人材が増えればより面白くなるんじゃないでしょうか。
それから「未知の世界へのチャレンジ、難題への取組みを“面白い”と感じることができる」意欲や好奇心を持った人と仕事をしたいですね。
「知らない、わからない」状況を負担に感じず、自分で考え楽しみながら行動し、どんどん突き詰めようとする人が将来的に伸びる気がします。

今後続けていくこと、目指すこと等を教えてください。

アパレル業界では生産量が増えても単価が下がり、結果的にトータルの売上もじわじわ下がるという現象が起こっており、シェアリングエコノミーやサブスクリプションの台頭も進んできました。
しかし日本の持つ強さは国内だけではなく、海外で活かすことができると考えています。

例えば今年の9月にパリで行われたプルミエール・ビジョン。
全体の入場者数は昨年と大きく変わっていないようですが、我々のブースは5割増で大忙しでした。
ほぼ全てのマンションブランドの方々が清原ブース目当てに来て下さり、「スナップ1つとっても、こんなに品質の良いものはない」と仰ってくださる。
それはひとえに日本のパーツの凄さであり、“メイドバイ清原”の魅力だと考えます。
しかし様々な服飾資材をワンストップで提供している国内と比較して、海外からの受注は特殊なもの、清原にしか無いものが中心で、ビジネスとしてはまだまだこれからです。
“トータルでできて、痒いところに手が届くサービス”が我々清原の強みですので、海外でも戦略的パートナーとして「パーツ供給は任せた」と認めていただけるようになることが一つの目標です。

アパレル資材の分野では、“よりカワイくキレイで、自分らしくありたい”にお手伝いすることで。
手芸・クラフトの分野では、“自分や誰かのために作る楽しみ、自分らしさを表現する楽しみ”を提供する部分で、世の中のお役にたち、“ワクワクする、ワクワクさせる”、そのような会社であり続けたいと思います。

清原㈱
中央区南久宝寺町 4-5-2
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電話番号
06-6252-4371
FAX番号
06-6252-1647
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