インタビュー

「リボンの館にならある」そう言われるリボンの専門店でありたい。

リボンの館さんは南久宝寺町でいつ頃から事業をされているのでしょうか?

ここ南久宝寺町で事業を始めたのは戦後まもなく、といったところでしょうか。
戦前は博労町で全く別の事業をしていたのですが、不思議なご縁で…祖父が戦時中に知り合った“リボンの織物屋さん”に「戦争が終わったらリボン屋になったらどうや」と誘われてそれでリボン屋に。
物資が不足して食べるものも、着るものも無い時代でしたが、事業として右肩上がりに成るだろうという期待を込めて、戦後ここで「リボンの卸問屋」として“豊島商店”を始めました。

卸連盟が立ち上げられるより以前からここ南久宝寺町で商売をしていますので、卸連盟設立の際からのメンバーです。
今は“リボンの館”として卸問屋をしつつ、小売もしています。

豊島社長は最初から「リボン屋さん」をお継ぎになったんですか?

いえ、実は1度ファイナンスに就職しました。
“卸問屋の息子”といえば昔で言えば丁稚、今で言うと研修を“同業種”で勉強して戻ってくる、というイメージがあるとおもいますが、私は全く関連のない会社に就職しました。

当時は、商売を行うことに関する経験をするのはどこに就職しても一緒かな、と個人的な考えがありまして・・・
けれども、ファイナンスで働いて、様々な職種や形態の会社に対し営業ができてとても良かったと思っています。おかげ様で人として随分成長させてもらいました。
また、未払いのお客様への督促・回収業務を経験したことは、お金に対する考え方において非常にプラスとなりました。

あとはまぁ…。
リボンとかレースって…“女性的なイメージ”があるじゃないですか。
男としては、なかなかわからない世界でもありますし。
特に、それが嫌というわけではなかったですけれどね!
会社を継ぐことそのものに、当時はそんなに意欲的ではなかったんです。

ただ、実際にサラリーマンとして働いてみて、様々な経験はできたけれども、いくら頑張っても上には限界があります。
それが私の場合、家に帰れば経営者になる選択肢があったので、どうしようかと考え“売るという行為は一緒”ならばよりやりがいのある方に、と決断しました。

あとはもう、専門知識は一生懸命勉強しましたよ。
それと、ファイナンスを経験していたおかげで、どんな方に会っても動じることなく、ほんとにたくさんの人と出会って色々なお話をしてきました。
伊達に年は食ってない!と思ってます!

笑顔でリボンの説明をされる女性店員さん

どういった“リボンへのこだわり”があるのかを教えて下さい。

屋号の“リボンの館”は、ホームセンターの様な“なんでも屋”ではなく、“リボンの専門店色”を押出したかったからです。 南久宝寺町にも、以前は手芸関連の卸問屋さんがたくさんありました。
ですが、残念ながら生き残れず…10社程度は、廃業・倒産してしまいました。
卸問屋がなくなっている、ということは、小売店がなくなっている、とも言えます。
大手さんが幅広くシェアを広げてしまっている今、「安さを求めるお客様」はそちらに行ってしまう。
個々のお客様が店を選ぶ時代ともいえます。

そこで弊社は発想の転換で「良い物を求めているお客様を選ぶ」ことにしました。
値段が高くても、もっと良いリボンを使いたい…そんなお客様のニーズに応えたいと思っています。

実際に手に取り、必要分だけ購入できるリボン

弊社は常時1万点以上のリボンを取り扱っていますが、例えば今「50mm幅」のリボンをわざわざ遠方から買いに来てくださるお客様も多数いらっしゃいます。
理由はウェディングドレスに巻く「サッシュベルト(サッシュリボン)」にぴったりということで、
instagramのハッシュタグや女性向けのキュレーションサイトで弊社のリボンの口コミを載せて下さっているお客様がいらっしゃるからです。

一般的に、こんなサイズを取り扱っているお店はなかなかありません。
リボンは100色あって6サイズあればそれだけで600種類になります。
そのリボンの中でも売れるものと売れないものがあり、また数が出なければいつまでも残ってしまうこともあります。
そのような回転率の良くないリボンの取り扱いをやめることは簡単ですが・・弊社はやめません。
「なかなか売れない」は逆に「まれに売れる時がある=探している人が少なからずいる」ということです。

普通のお店にはない、あまり売れない、使いドコロも限られている…そんなリボンでも「弊社にならある」という専門店になりたいんです。
また、弊社で取り扱っているリボンはほぼ日本製ですので安心してご使用いただけます。


それに、弊社のショールームでは1m単位にてカット販売もしていますので一般のお客様のニーズにも合っていると思います。
カット販売=小売りになりますし、細かい商売になってしまいますが、ニッチなニーズにも答えていきたい。

「南久宝寺町は卸の街だから」と、わざわざ来てくださるお客様をまずは大切にしたい。
リボンだけを買いに、ここに来ていただくにはどうしたら良いか、日々常々考えています。

沢山のリボンの中からお客様の要望に沿ったオススメを店員さんが選んでくれることも。

リボンの館さんの今後のこと、教えてください。

リボンやレースの良さがわかる人に、より良いものを提供したいと考えています。
価格競争にならないように、大手さんとは完全に住み分けをして、今後はもっとニッチな商品も取り扱っていきたいですね。
そういうお店が大阪にあっても、いいじゃない?
すごくロスのある商売だけれど、サッシュベルトが突然話題になったように、なかなか手に入らないモノを探している方に「リボンの館ならあるよ!」という様なお店でありたいです。

「あそこに行けばなんとかなる」
「ここにくればなんとかなる」
というのが目指すところですし、また課題でもあります。
かなり大変ですが、商売が大変なのは当たり前ですし、しょうがない!

南久宝寺町は古くから続く問屋街でしたが、今は飲食店も増えて街が変わりつつあり、老朽化したアーケードを筆頭に様々な問題も出てきています。
今後どうするか。
これから5年で大きく変わるでしょうし、また変わらないといけないと考えています。

商売の課題も、街としての課題も、解決していければ良いですね。

㈱リボンの館
中央区南久宝寺町 2-5-5
Google MAP仕入達人加盟商社
電話番号
06-6243-0055
FAX番号
06-6243-8885
Webサイト
公式サイトへ
<リボン・レース等服飾附属品販売>リボン,レース,ブレード,装飾テープ,服飾附属品,手芸用品

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